ドイツにおけるコロナ禍支援
今回のコロナ禍における政府の企業支援などのお金に関する対応は日本とドイツで明暗が分かれましたが、
それはドイツ国民が高い税金を支払ってるからこそ可能だったことだと言えると思います。
通常の社会保障制度に関しても同様のことが言えます。
前にも書きましたがノルトラインヴェストファーレン州(以下NRW州)の場合(州によって金額が異なる)
下記の緊急支援金が早い人では申請3日後には支払われました。
・従業員5人まで:9000ユーロ
・従業員10人まで:15000ユーロ
・従業員50人まで:25000ユーロ
NRW州では当初この支援金は企業の経費としてのみ使用可能ということで生活費に困っている自営業者から不満の声がかなり上がり
(私も生活費にも使えるよう政府に働きかけるためネット署名をしました)、
後に2000ユーロまでは生活費として使用可となり、私の周りの自営業者仲間もホッとしていました。
現在は支援金をいつまでにどのくらい返金する必要があるかというのが課題です。
特にNRW州はものすごい速さで規制も少なく支払いが行われたため(43万人 / 45億ユーロ)、
返金する必要がある自営業者は他の州よりも多いと見られています。
NRW州のサイトで調べたところ当初は個々にメールが届き、
添付されている収支計算表に入力して返金の必要があるかを確認し、
2020年9月末までに返信、12月末までに返金しなければならないとのことだったのですが、
返金のための精算要件に問題があり、噂によると返金要項に対しての反対意見も多数あったことから
一時ストップとなっています(2020年8月中旬現在)。
「NRW州Soforthilfe」のサイト
ドイツの税金システム
次にドイツの税金のお話です。
ドイツの所得税はクラスが下記のように1から6までに分かれています。
税クラス1 | 独身、死別、離婚している者 |
税クラス2 | 一人親、別居中の者 |
税クラス3 | 既婚者(うち収入が相手より高い者)、子供手当てを受給している者、税クラス5との組み合わせ |
税クラス4 | 既婚者(両者の収入が同じである場合) |
税クラス5 | 既婚者(うち収入が相手より低い者)、税クラス3との組み合わせ |
税クラス6 | 複数の職及び副業従事者(婚姻状況に関係なく) |
参照サイト: Steuerklassen.com
現在は私が自営業者なので税クラスがなく(税クラスがあるのは被雇用者のみ)、
夫が税クラス3か4を選択することになります。
ドイツで初めて就職した時は会社員として夫婦共働きだったのですが、
夫の方が給与が高いため税クラス3、私が税クラス5でした。
待ちに待った私の初給与の日、明細表を見てびっくり!
税クラス5だと手取りが給与のほとんど半分なんです。
税クラス5と3パターンの社員を始めて持った社長(日本人)も
「給料めっちゃ少ないけど、大丈夫?」
と心配してくれるほどでした。
当時夫が働いていた会社は結構ゆるーい雰囲気で、
送別会があればもうお昼過ぎからスパークリングワインを何本も開けるような感じだったので、
私はこま鼠のように働いているのにこの給与差はなんなんだ!
と納得がいかなかったものです。
自営業者が支払うその他の税金
他に自営業者として支払う税金として消費税(Umsatzsteuer19%あるいは7%)と、
営業税(Gewerbesteuer)があります。
消費税は販売した商品x19%(7%)を支払うことになります。
商品を輸入した際に支払った輸入消費税(Einfuhrumsatzsteuer)19%分は差し引かれます。
前にも書きましたが、私は税務署にVorsteuerabzugsberechtigt(消費税仮払の対象者)として申請してあるので、
3か月ごとに販売した商品19%を税務署に支払い、
年度末に清算をして、多く支払っていた場合は返金されます。
営業税は収益と居住地によって異なります。
無料で営業税を計算できるサイトがあるのでご参考までに。
「lexoffice Gewerbesteuerrechner」のサイト
※消費税は2020年7月1日から12月31日までコロナ禍における景気回復のため19%から16%、
あるいは7%から5%に変更になっています。